ミシュラン三ツ星レストラン
ゴードン・ラムゼイさんという料理人をご存知でしょうか。
「ヘルズキッチン」という料理の鉄人×TVチャンピオンみたいな番組で
Fワードを連発しながら参加者をはげしく罵りまくっている姿が有名な
イギリスの名物シェフさんであります。日本の料理人に例えると…
殺意の波動に目覚めた土井善晴さんみたいな感じかな(^^;)
実はここロンドンにはそのゴードン・ラムゼイさんが手がけた
「Restaurant Gordon Ramsay」というそのまんまの名前の
レストランがあり(ミシュラン三つ星)、行ってみたいと思いつつ
あまりの敷居(&値段)の高そうさに諦めていたのでございますが、
ランチなら手が届かない値段でもないということで友人と決死行!
なんと1か月前から予約しないと席が取れないということで
きっちり予約していきました。前日にレストランから電話があり
記念日かどうか、アレルギーがあるか聞かれるなど、行く前から
高級店感がすごいけどええい!!ここでめげるわけにいかん!!
いきなり迷いかける
いちおう襟付きの服も着て、ちょっぴりおしゃれして、
Sloane Squareという高級住宅街エリアの駅で降りまして
てこてこ歩いていったのですが、あれ?見つからない…?
…と思っていたら友人が手招きしてくれて、なんとか発見。
お店の看板が超ちっちゃくて普通に見落としておりましたぞ。
見た目はほんとうにふつうのおうちみたいな感じだけど…?
意を決してドアを押し、店内に歩み入ると…
思ったよりずっと広かった!!
すでにオシャレーッ!!なムードがすごいことに…
渋谷ですらオシャレパワーで圧死しそうで行くことができない
当方にはすでに致死量のオシャレ度でございまするぞ…!!
焦りながらメニューを読もうとするが
「使われている単語がおしゃれすぎてわからない」
という事態が発生。しかしこんなこともあろうかと、
イギリス人の友人を連れてきているので大丈夫だぜ!!
「この…Blue GreyとかJohn Doryってなに?」
そう問いかけると、友人は微笑んでこう言った。
「全然わからない^^」
いやわからんのかーい;;と突っ込むのとほぼ同時に店員さんが来たので
おすすめを尋ね、ラビオリと鳩のローストを頼むことに。ほっ…
とする暇もなくワインリストを渡される。なんかすごい種類のワインが。
しかし、ワイン全然わからないんだよ…(白目)こんな時の魔法の呪文
「オススメノ・ワインヲ・オネガイシマス」を唱えて乗り切るぜ!!
よし、これでコースも頼んだ、ワインも頼んだ(^^)ふう…。
安心したのもつかの間…不安がよぎる。すごい値段のワインが
きてしまったらどうする?そう、この呪文はパルプンテと同じ。
もしかするとすさまじい対価(価格)がくるかもしれないのだ。
ていうかさっきお薦めをたずねた時「タルトタタンが美味しいよ。
1時間かかるから頼むなら言ってね」って言われた時つい即答で
「お願いしやす!!」と言ってしまったけどもしかしてあれって
コースのデザートと別会計じゃない???あれあれ??あれれ?
すでに何手も読みを誤っているのではという不安とおしゃれな雰囲気に
相変わらず圧倒されつつ、友人と会話を楽しんでいると、パン登場。
ほろほろ系黒パンとしっとり系ブリオッシュの2種類で、
すでにとんでもなく美味しい(;;)不安が消し飛ぶレベル。
経験上パンが美味しいレストランにまず外れはないので一安心だ。
家に置いてあったら3秒で割るレベルの薄さのグラスに入った
おすすめ白ワイン(価格:???)とともにパンをかみしめていると
ラビオリ が あらわれた !!
ロブスターと手長海老、サーモン、スイバが具材だそうな…
なんかすでにすさまじくいい香りが鼻腔を刺激する。
おそるおそる口に運ぶと…
や
ば
い
らびおり うま
(手記はここで途切れている…)
一言で形容すると「西洋風海老餃子」なのだが…
口に入れた瞬間に口腔いっぱいに広がる海の幸のうまみと
少し大きくカットされたロブスターやエビのプリプリ感、
サーモンのしっとりした口当たりにスイバのさわやかさが
ごはんに999個のっけてかっこみたい!!
という激しい衝動と共に脳に美味しいの電気信号を炸裂させる。
ラビオリ…私の思考回路はショート寸前だよ、いやショートした
とんでもない美味しさにおののきつつきれいに平らげて
意地汚くソースの最後の一滴までパンで吸い取っていると
いよいよメインが運ばれてきた。鳩のローストである。
うつくしい…すべてが、均衡が、すさまじくうつくしい。
ストーンヘンジかな?世界遺産かな?
お肉のロゼ色もたまりまセブンセンシズ!!
…などと小宇宙を燃焼させつつ、添えられた
フォアグラ・ビートルート・ソバの実、そして
ブラックベリーのピクルスとともに口にお肉をポン!
あ
ば
ば
はと うま
(手記はまたもここで途切れている…)
なんと大変恐ろしいことに
〇ジューシーな鳩肉の柔らかな旨味
〇とろりと火の通ったなめらかフォアグラ
〇サクサクビートルート
〇カリカリソバの実
〇甘酸っぱいブラックベリーピクルス
が最高のバランスで噛み合っており
すべてが…すべてがここに結実した。
三位一体じゃなくて五味一体だった(錯乱)
デザート三連撃!
素敵な余韻に浸っていると
なにやらやたらオサレな物体が運ばれてきた。
見ると真ん中にガラスストローが突き立っているではないか。
おそらく…普通に考えればこれはこのストローで吸うのだ。
しかし…待て…スプーンも与えられている。となるとこれは…
公明の罠では?ストローと見せかけてマドラーでした!!
あー吸っちゃう人いるんですよね(笑)みたいな展開では?
などと恐怖におびえていたら同行者が普通に吸っていた。
前例をくれてありがとう…なんだこれめちゃめちゃ美味しい
オレンジピールがまぶされたメレンゲとオレンジムースだと
思うのだが、さっぱりあっさりしていて食後に嬉しい。
おいしいおいしいと喜んでいると…
急に店員さんが木の机を持ってきて
あっ
うん
ああ
はい…
デザートワインまで…はい…
そう、伏兵タルトタタンの強襲である。
不意を突かれたたかうじ側は圧倒的なさくさくタルトに
あっという間に取り囲まれ、甘酸っぱいとろ~りりんご将軍と
アイス将軍の正確無比な連携により瞬く間に全軍壊滅した。
のちに「タルトタタンの合戦(AD2019)」と呼ばれる闘いである。
はあはあ…これはまずい…退却だ!!
逃げようとしたたかうじの前にあらわれたのは
やたらオシャレな砂糖ツボを従えたコーヒー大将であった。
コーヒー大将一人ならなんとか討ち取れる、そう安堵した瞬間…
コーヒー大将「我が来たから終わりと思ってもらっては困るな。
ゆけ、三羽烏!!食後の腹を完膚なきまでに満たすのだ!!」
①砂糖がまぶされた柑橘ゼリー!!
②あんずジャムののったふんわりクッキー!
③さくさくアーモンドが嬉しいチョコレート!
これにはたかうじもたまらず(嬉しい)悲鳴を上げ、
腹が満月のごとくふくれるまでお菓子を食らったのであった…
かくして長く続いた戦乱の世は幕を閉じることになったのだ!
【ロンドン太平記 完】
今回の「おいしい度」判定
いや…「☆5」以外あります?という圧倒的実力。
ちなみに皆さま予想がつくかと思いますがお代も圧倒的でした。
ま、まあ…ほら…しばらく切り詰めればなんとかなるから;;
合間におしぼりを出してくれたり、
同行者が席を外しているときに歴史ドラマとかで
よくみるアレで蓋をしてくれたり、とにかく細部まで
ゆきとどいたサービスで、12時から会食したのですが
午後3時ぐらいまでゆったりのんびりすごせました。
かなり前から予約しなければならないことや立地、値段を
考えるとなかなかハードルが高いところもあると思いますが
間違いなくそこには天国が待っていますので、機会があれば
ぜひたずねてみていただければ幸いでございます。…高いけど。
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