バルティ・トライアングルの謎(Adil’s)

更なるインド料理を求め、バーミンガムへ

ご存知の通り、ロンドンのインド料理は他と一線を画すレベルに達しており、

このブログを「イギリスのインド料理は絶対美味しい」に改題しようかどうか

真面目に悩むほど、圧倒的にはずれがないし素晴らしくおいしい。

しかし、下宿先のインドおじさんによると、バーミンガムのインド料理

独自の進化を遂げており、さらに圧倒的においしいというのである。

「バルティ・トライアングル」

「balti triangle」の画像検索結果

(上記画像は「Balti Birmingham」というサイトのものです)

バーミンガムのインド料理のキーワードは「バルティ・トライアングル」。

なんだかバミューダ・トライアングルの仲間のようだが上記画像のとおり、

黄色の三角のエリアに「バルティ」というイギリス料理+パキスタン料理の融合料理

食べられるお店がひしめいている、ということなのだ。では、バルティとは何ぞやというと、

(いろいろ複雑な定義があるようなのだが、)ざっくり言うと「鉄鍋カレー」である。

強い火力でこんがり焼かれたカレーは普通のカレーとは別物の美味しさらしい(おじさん談)。

門司港の「焼きカレー」や、「石焼きビビンバ」みたいなものなのだろうか?

これは確かめるしかない。なぜならインド料理=イギリス料理だからである(真顔)。

イギリス第二の都市、バーミンガム

というわけで、バーミンガムにやってまいりました。

ロンドンから電車orバスで2時間。(東京と大阪みたいな関係かな?)

早速おじさんオススメの「Adil’s」というレストランに向かいます。

入店。時刻は午後1時を少し回ったぐらいだ。

おわかりいただけただろうか…?

そう、客が私1人しかいないのである。危険信号である。

いやでもおじさんオススメのお店だったし、美味しいはず…。

雨が降っているので、多分そのせいだろうと自分に言い聞かせる。

大変話好きな店主さんが(客が私1人ということもあって)詳しく

オススメを説明してくれたので、そのままそれらを注文する。

まずはタンドリーチキンが運ばれてきた!!

ちなみに「前菜」枠である。ワイルドにかぶりついていくZE。

お味は…あっ、アツアツでスパイシーでサックリふんわり!!

今まで食べたタンドリーチキンの中でも1、2を争うおいしさだ。

やっぱり雨が降ってたから空いているだけなんだと胸をなでおろす。

しかも一緒に頼んだラッシーがやたら美味しい。

「塩味の飲むヨーグルト」ぐらいの認識だったのだがこのラッシーは

なんというか…フレッシュだ。牧場の牛さんの鳴き声が感じられる(?)。

後味もヨーグルト特有のまとわりつく感じがなく、さらりとしている。

ラッシーにうっとりしていると…ついに登場した!バルティである。

ご覧の通り、鉄鍋に入っているので、一瞬麻婆豆腐みたいに見えるが、

カレーの縁が鍋の熱でふつふつ音を立てており、鮮烈な香りが脳に届くので

「あ、これ、カレーだ!!」と頭の中のインド人がナマステしてくれる。

見た目は100点満点だが、さて、お味はどうだろうか…?

付け合わせのナン(かなり大きい)と一緒にパクっと口に運ぶ。

…うん!!確かに寮のおじさんが絶賛するだけのことはある!!

具材のひとつひとつに芯までしっかり熱が入っており、口の中で

とろりとしたカレーとともにフワッとほぐれていくのが心地よい

しかも熱の中に封じ込められたスパイスたちが口の中で弾けるので

シナモンやカルダモン、クローブやコリアンダーの豪華絢爛な香りに包まれ、

気分はまるでマハラジャである。踊るマハラジャ踊るよポンポコリン。

こんなに熱々なのに口内に残る後味は辛さよりむしろ旨味が際立っており、

様々な食材とスパイスが織りなすそれはまるで旨味のタペストリーやぁ!!

…と叫びたかったが、静かな店内の雰囲気を乱すので心の中のみにとどめた。

そんなこんなであっというまに完食。お腹ポンポコポンである…くるしい。

しかし店主さんは無情にも新たな皿をもってきて…ってなんだっけこれ?

こんなの頼んだかな?三角コーンかな?

???と思いつつプラスチック容器を外してみると…

あーそうだ!!デザートに頼んだクルフィ(練乳アイス)だ!!

インド料理の中でも、このこっくりした練乳アイスは大好物。

ましてやこれは「ピスタチオ味」である。大正義!大正解!

はやる気持ちをおさえつつ口に運ぶ…。…。…。

いや、美味しいに決まってますよねーーー!!ちべたいー!!

やはり辛い物を食べた後はアイスに限りますね。冷たいアイスが

熱をもった口内に染み渡っていく。穏やかな気持ちになってきた…。

なんだろう、この穏やかな気持ちは…。そうか、涅槃の境地だ…。

ということで、バーミンガムの地にて悟りを開くことに成功したのだった。

しかしお店を出て3秒後にディナーのことを考え始めて煩悩に負けたのだった。

今回の「おいしい度」判定

インド料理に失敗なし!!「☆5」以外の何物でもない!!

バミューダ・トライアングルで人や飛行機が消えてしまうように

バーミンガムのバルティ・トライアングルでは食欲が消失してしまう。

なぜならバルティでお腹がいっぱいになってしまうからである!

この魔の三角区域、ぜひ英国にお越しの際は訪ねてみてください^^

ABOUTこの記事をかいた人

たかうじ

ひょんなことからイギリスに2年滞在することとなった食欲優先主義の社会人。イギリスのおいしいものを食べまくるぞ!と期待に燃えていたところ周囲から「いやいやまずいものしかないだろ」「いぎりすw痩せられるねw」「ウナギのゼリー寄せが名物とか笑える」などの心ないコメントを寄せられ、このブログを立ち上げる(そしてイギリスにも美味しいものがあることを証明して周りをあっと言わせる)ことを決意するのであった…。いま、真実を見極める旅が始まる!!