前回、Whitbyの「英国一のフィッシュアンドチップス」を紹介したが、
この旅に同行してくれた友人(英国人)が同じヨークシャー地方に
「英国一のイングリッシュブレックファスト」が食べられるお宿が
あると教えてくれたので、あわせて泊まってみることにした。
ちなみに、友人によると、別に英国人は毎日イングリッシュブレックファストを
食べているわけではないらしい。「普通に重い」からだそうである。
英国人に「重い」と言わしめるイングリッシュブレックファスト、恐ろしい…。
まあ裏を返せば栄養たっぷりということなので、今日は動くぞ!というときの朝食、
つまり、旅先の朝食としては一番であり、ホテルや宿屋の定番になっているそうだ。
まあ、日本人も毎日お寿司+天ぷらを食べているわけではないですからね。
The Coachman Inn
そんなこんなで、やってまいりました、The Coachman Inn。
「coachman」というのは御者という意味で、その名の通り元々は
馬の御者を対象にしたパブ/宿屋だったとのこと(創業は1776年!)。
最近改装したばかりとのことで、ホームページもまだ準備中であるが、
お部屋もきれいで整頓されており、穏やかな空気が流れている。
しかし、大事なのは朝ごはんである!!
宿泊した日の翌日、期待しながら食卓に着くと、
すぐにイングリッシュブレックファストが運ばれてきた。
(これにトーストが別途つく。トーストはおかわり可能。)
…うん。見た目はまさにイングリッシュブレックファストだ。
〇ソーセージ
〇ベーコン
〇トマト
〇マッシュルーム
〇目玉焼き
〇豆
という、シンプルながら基本をおさえた構成。
しかし…私には二つ不安があった。
ひとつ。ソーセージがもったりしていて不味いのではないか?
ふたつ。全体的に超脂っこいのではないか?
前者はおそらく多くの日本人がイギリスで感じる不安であろう。
イギリスのソーセージは普段日本人が食べなれているパキッとした
シャウエッセン的ソーセージではなく、やわらかくもったりしている。
それはイギリスのソーセージが詰め物大歓迎!というスタンスで
パン粉や脂肪、ハーブなどが(場合によってはお肉を圧倒して)
入っているためであり、ひどいソーセージにあたってしまうと
もはや「ソーセージの形をした柔らかいパン」だったりする。
後者はイングリッシュブレックファストの具材が全て焼いたものであるため
高確率で発生しうる事態である。味はおいしくてもすべての具材に
油がこってりコーティングされているので、米と味噌を食べてきた
我々日本人の胃袋に超過積載トラック並みの負荷がかかってしまうのだ。
しかし、友人の期待のまなざしを裏切るわけにはいかない…
ええい!!ままよ!!私はソーセージを噛み切った。
…もったり…
…してない!!してないぞ!!もったりしてない!!
ソーセージの断面を眺めると、しっかりお肉が詰まっている。
口に含めば、重厚な噛み応えとともに熱々の肉汁がじわっと溢れ、
豚さんの圧倒的な実力にただ静かに感謝を述べることしかできない。
い、いや、しかし、他の具材はどうだ?テカテカしてるのでは?
ベーコン…カリカリでおいしい。目玉焼き…しっかり半熟だ。
トマト、マッシュルーム、程よく火が入っていて食感がよい。
お豆さん…やわらかなトマトの甘みが口の中にひろがる。
…いける!!この脂っこさレベルなら問題なく対処できるぞ!!
確かに、英国一のイングリッシュブレックファストというだけある…!
幸せな気持ちで一口一口大事に噛み締めたのであった。
(ちなみにお豆さんあまり得意でないので、ゆっくり食べていたら、
察してくれたらしく、次の日、「お豆さん抜くよね?」と聞いてくれて
お豆さん抜きのイングリッシュブレックファストにしてくれた。嬉しい^^)
今回のおいしい度判定
というわけで、確かに間違いなく今まで食べた中で一番おいしい
イングリッシュブレックファストであった。というかこのお宿、
全般的にすべて美味しく、夕飯もめちゃくちゃ美味しかった。
イギリスの食事は田舎に行くほど美味しくなるといわれているが
まさにその一端を味わった形だ…お芋がホクホクしててさいこうです。
というわけで判定は当然の「☆5」とさせていただきたい。
車でないとアプローチできない場所にあるのがつらいところだが、
ラウンドアバウトを乗り越えて向かう価値は十分にあるので、
ヨークシャーを訪れた際はぜひ宿泊をご検討ください!
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