モノグラフで夕食を(Monograph)

イギリス生活にもだいぶ慣れてきたものの

時にやはり、日本料理が恋しくなることはある。

そんな「夏目漱石モード」に突入した皆様に今回オススメするのは

モノグラフ」という日本料理クラブ in 倫敦である!!先日たまたま見かけて

サイトを見たところ、特段日本料理感がなく、秘密クラブ?っぽかったので

どんなことが行われているのか非常に気になり、潜入取材してまいりました。

チケットを購入すると開催場所を教えてもらえる

…ということで、某日夜、某所にやってきた。

夜のロンドンに浮かぶ白い光。あそこが目的地だ。

間違えていないかどきどきしながら入店する。

割りばしが並んでいてほっとする。

きちんと本日のお品書きも添えられていた!!

〇クレソンのサラダごまドレッシングがけ

〇サバとわかめのうどん

〇たこ焼き

〇抹茶どら焼き、チョコ餅、赤大福

とのこと。サバ×うどんというのは初めて食べるが

山形のひっぱりうどんなどはサバを使うからなあ…

などと思いを巡らせていると、他のお客さんが入ってきた。

完全に自由席なので、団体さんで来ている人の邪魔にならぬよう

すみっこの席にこっそり座る。怖い人が前に座らないといいなあ…

などと思っているうちにあれよあれよと小さな店内は人でいっぱいになり

気づけば私の前には優しそうなおばさんが座っていた。ありがたい(^^)

しかもおばさんはよく冷えた白ワインをふるまってくれた(持ち込み自由なのだ)。

自分も飲み物を持ってくればよかったと反省していると、急にすぐ横の壁が白くなった

映写機で壁に何か映像を映し出すつもりらしい。会場が静かになる。

そして…日本語のCMがランダムに、大音量で流れ始めた

カレーメシ、かむんとにゃんにゃん、ポッキー、ねるねるねるね…

懐かしいCMの数々が映されるたびに、爆笑するお客さんたち。

そんな笑いどころあるか?と思ってしまうウケっぷりである。

CMが終わり、どう受け止めていいかわからず机に目を戻すと、

いつのまにかサラダが運ばれてきていた!!すごい早業だ。

お皿ではなく紙箱に入って出てくるところは屋台みたいである。

照明が暗く(まあイギリスは基本的にそうなのであるが)うまく写真が

撮れなかったが、鰹節×胡麻ドレッシングでかなり日本っぽい味!!

ただクレソンにはどうしても西洋感があるので、文化住宅のような趣がある。

おばさんと喋りつつ(ちなみにおばさんはプラスαで日本酒体験をつけていて、

白ワイン+日本酒を並行してがぶがぶ飲むという荒業をなしとげていた

しゃりしゃりとクレソンをかみしめると、爽やかな後味が広がった。

次も期待できそうだな~と思っていると、また横の壁が白くなった。

今度は何の映像だろうか…。どきどきしつつ始まる瞬間を待つ。

今度は…古い映画の1シーンだろうか?高級そうなレストランで

おじさんがズルズルとスパゲッティをすすっている。そばのテーブルでは、

マナー講師とその教え子たちが迷惑そうな顔でおじさんを凝視している。

しかし、おじさんの迫力に負けたのか、マナー講師たちもやがてズルズルと

スパゲッティを音を立ててすすり始めたのであった…(完)

こちらの映像にも爆笑するお客さんたち。

たしかに蕎麦やうどんをすするのは日本固有の文化。

「ヌードルハラスメント」という言葉もあるぐらいなので、

多分次のうどんについてはすすって食べていいということ…だろう。

実際、すぐにうどんがやってきた。ほかほかと湯気が立っている。

イギリスの脂っこいサバがのっているので「大丈夫か?」と思ったが、

レモンが添えられており、その爽やかさがサバのしつこさを軽減し、

だしとワカメとの相乗効果で旨味だけを舌に伝えてくれる

しっかりアツアツなのも高ポイントだ!!つるつると口に運ぶ

(おばさんが近くに座っていたこともあり、すする勇気がなかった)

ここまで来たら次のたこ焼きの前には何が待っているか気になるが…

と、主催者のお兄さん(英国人ぽかった)と料理人のお姉さんたち(日本人)が

マイクを手に現れ、こう言った。「次の料理の前に、目を閉じて静かにしてください。

来た!!次は一体何を見せてくれるというのか…期待に震えつつ目を閉じる。

すると、大音量で流れてきた…日本の駅のアナウンスが。

「次は、永田町、永田町。」

ガシャーン(ドアが開く音)

ぴろりろり~ん(ドアが閉まる前の音)

「ドアが閉まります。ご注意ください」

ガシャーン(ドアが閉まる音)

ガタンガタン…ガタンガタン…(遠ざかっていく電車)

たしかに…なつかしい…けど…なんで永田町チョイス???

心底不思議に思っていると、「目を開けていいですよ」とのこと。

目を開けると…そう、たこ焼きマントマン(古い)が待っていた!!

相変わらずうまく写真が撮れていないが、4個入りである。

お味はふつう~のたこ焼きという感じで、懐かしい…。

容器も相まって、お祭りで買って立ち食いしている気分だ。

ひょいパク、ひょいパクと口に運んで幸福感に浸っていると、

急にまた日本のCMが流れ始めた!!第二弾である。

今回は化粧品だったり企業広告だったりお酒の宣伝だったり

食べ物以外のジャンルで固められた布陣であった。

そして、CMを見終わって机を見ると…やはり、やってきていた。

この布陣ならドラえもんのアニメを流してくれても…と思いつつも

著作権とかそういうこともあるので難しいのかも…と1人納得する。

いずれもそんなに甘くなく、和菓子感があっておいしい

ちなみに前のおばちゃんはワインと日本酒を飲みすぎたために

「甘いものを食べると気持ち悪くなる」と持ち帰っていた(^^;)

今回の「おいしい度」判定

そんなこんなで、日本に一時的に戻ったような、

しかしずっとロンドンにいたような、不思議な感覚におそわれつつ

おばちゃんと最寄りの駅まで色々話しながら帰ったのであった。

そんな不思議体験を提供してくれた「モノグラフ」には

☆3+α」を贈りたい!!なんというか、いい意味での

ごった煮感、屋台感、日常感しかして非日常感があったので。

ロンドンに居ながらにして不思議日本体験がしたい方、

ぜひこの愛すべき秘密クラブに参加してみてください^^

ABOUTこの記事をかいた人

たかうじ

ひょんなことからイギリスに2年滞在することとなった食欲優先主義の社会人。イギリスのおいしいものを食べまくるぞ!と期待に燃えていたところ周囲から「いやいやまずいものしかないだろ」「いぎりすw痩せられるねw」「ウナギのゼリー寄せが名物とか笑える」などの心ないコメントを寄せられ、このブログを立ち上げる(そしてイギリスにも美味しいものがあることを証明して周りをあっと言わせる)ことを決意するのであった…。いま、真実を見極める旅が始まる!!