複雑にして繊細な「日本料理」
前にインド料理=イギリス料理という言い訳お話をしましたが、
「カレー」について、インドのカレーと日本のカレーはかなり違うというのは
誰もが認めることだと思う。具体的な違いは「カレースター」の水野仁輔さんが
非常に詳しくわかりやすく説明してくださっているのでぜひ著作を購入してほしいのだが、
(この方の「いちばんおいしい家カレーを作る」という本は私のバイブルです)
「日本のカレー」が代表的国民食として日本人に愛されているのは間違いない。
そして、それぞれ心の中に、「私の理想のカレー」を持っている。
そのため、ロンドンにきてから、日本食を食べる機会は何回かあったもののの、
「解釈違い」を引き起こすのが怖かったため、カレーは食べていなかった。
Restaurant Yoshino(吉野家ではない)に伺う
そんなとき、在英日本人の方々と会食する機会があり、
「Restaurant Yoshino」というお店でコース料理(35£)をいただいた。
非常におしゃれな雰囲気のお店である。
しかし、意外にも「前菜」は(いきなり)餃子。1人5個しっかり食べることができる。
ワイルドだぜ~(大変古いネタですみません)。アツアツでおいしい。
続いて、ユッケが出てくる。
えっ!?すき焼きかな?と思ってしまうような出てきかただが、
れっきとしたユッケである。すごいぜいたくな気分になる!!
ユッケ好きの夢であろう、どっさりユッケ一気食いも可能だ!!
(↑完全に「会食」だということを忘れている人間のありさま)
テンションが上がっているところにサラダが運ばれてくる。
グリーンサラダかほうれん草のお浸しかを選べるので、おひたしにしたのだが
???…少なくとも見た目はおひたしに見えない。アツアツだし。
味的にも、錦糸卵の乗った「ほうれん草のソテー」である。
でもおいしいのでよいのだ。
次に焼き肉が登場する。タンやレバーも選べるが、ハラミにした。
しみじみとおいしい…。そういえば焼き肉も、韓国の焼肉と
日本の焼肉は違うんでしたな。なつかしい味に心が和らぐ。
それは まぎれもなく ヤツさ
そんなとき…ついに現れたのだ。
カレーである!!ごはんが全く見えないので
一瞬シチューかな?って思ったけど、カレーである!!
ロンドンにきてから初めてだ…祈るような気持ちで口に運ぶ。
始まる前から、勝負はついていた。
「オレの名はカレー 日本人の心にサイコガン(感動)を放つ 不世出の英雄さ」
「カレー…そうか…お前が…カレー…だったのか…」
ゆっくりとくずおれる。そうだった…恐れて逃げているばかりで、忘れていた。
カレーはいつだってカレー、そう、圧倒的正義だったのだ。
沢山の具材が煮込まれて本当の自分を見つけ、他の具と呼応して
口の中で柔らかにシンフォニーを奏でている。それはまさに黄金の夜明け。
私の思うカレーとはまた違うけれど、これはこれで一つの高みに達している。
その知識はまた、私の描く「理想のカレー」を更に精緻化するであろう。
穏やかな気持ちで、目を閉じた…
今回の「おいしい度」判定
というわけで、あまりに久方ぶりのカレーが懐かしくおいしかったため
突然(本当に衝動的に、かつ部分的に)コブラネタにはしってしまいましたが、
文句なしの「☆5(天国レベル)」を贈呈させていただきます。
(35£でこれだけおいしくて量たっぷりな和食を食べられるのは本当にレアです)
具材が揃えられたら、自分でもカレーを作ろう!!(固い決意)
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