イギリスパンをもりもり焼いていこう(Bread Ahead Baking Courses)

「イギリスパン」と言えば…

イギリス人の主食は間違いなくポテトなのであるが(英国のポテトはおいしい)、

パンもよく食べられている。どのスーパーにも必ず焼きたてパンが売られている

ものすっごい薄切り(32枚切り?)の食パンももりもり売られている

サワードウ・ブレッド(発酵生地パン)のお店はそこかしこにある(なお、

パン屋さんのパンのお値段は総じて高く、アンパンぐらいのサイズのパンでも

ふつうに3ポンド(450円)~4ポンド(600円)ぐらいすることが多い。)

とはいえ。「イギリスパン」といってもほぼイメージが浮かばないのは事実…。

アメリカのサンドイッチほどぱさぱさではないものの、日本人が好むような

しっとりむっちりしたパンはなかなかお目にかかれないということもあり、

かねがね、「イギリスパン」を学びたいと思っていたところである。

ドーナツが大人気!「BREAD AHEAD」

そんなとき、以前ご紹介したバラ・マーケットに寄った際、

たっぷりクリームが詰まった🍩ドーナツ🍩で有名なお店である

「BREAD AHEAD」のパン作りコースがあることに気づいた。

しかも、「伝統的英国パン作り」半日コースがあるのだ!!

これは行ってみるしかあるまい!…というわけで、早速予約し、

Great British Baking Courseに参加してみることになった。

3つの異なるイギリスパンを作ることのできるコースだ。

やってまいりましたはバラ・マーケット。

Bread Aheadのベーカリーの2階部分へ足を進める。

エプロンなどはすべてお店で用意してもらえるので手ぶらで大丈夫

コースが始まる前にはお茶菓子も楽しめる。コーヒー/紅茶を選べるぞ!

もちろん説明は英語なのであるが、「塩5グラム」とか

「バター240グラム」とか大事なところはきちんと

「2・4・0!! 240だよみんな!!よろしく!!」

と何度も確認してくれるのでありがたい限りである。

パン生地で手がベトベトンになるため作成中の写真は

残念ながら撮れなかった(というか3つの異なるパンを

モリモリ作っていくため撮る暇がなかった)のであるが、

完成後の写真をお見せしつつ紹介していきたいと思う。

アイルランド・スコットランド・ウェールズ揃い踏み

①ポテト・ファール(アイルランドのポテトパン)

3つの中で一番簡単だったパン。

①まずはマッシュポテトにバターと塩胡椒を加えてねりねり。

②別のボウルに小麦粉とベーキングパウダーを入れて、

③そこにマッシュポテトを加え、よく練ってからつぶして円形にする。

④それをフライパンで焼けば出来上がり。シンプル!!

ポテトサラダパンという感じで、ザクザクした食感と

お芋のほんのりした甘みがたまらないでございます。

素朴な感じのパンですが、アイルランドの人たちの苦難の歴史

(イングランドに小麦をとられてしまっていたのでポテトで

飢えをしのいでおり、ポテト・ファールも少ない小麦でうまく

パンを作ろうとして生まれたものだそう)が詰まっており、

歴史を考えると涙の味がするような気もする(塩入れすぎたかも)

隣に座っていたお姉さんが「簡単だから疲れた時によく作るのよ」と

言っておられました。たしかにポテトサラダが余ったときなどに

小麦粉さえあれば作れるので、お手軽パンといえるでしょう。

 

②バラ・ブリス(ウェールズの甘いフルーツローフ)

見た目の本格感がすごい。でも意外と手順は簡単で、

①アールグレイティーを入れる。蜂蜜を入れる。

②レーズンあるいはプルーンをそのお茶に1日付け込んでおく。

③小麦粉、レモン果汁、砂糖、ミックススパイス、卵をまぜる。

④③にフルーツを加えてまぜる。

⑤型に流しいれて表面をスプーンの背で整える。

⑥オーブンで焼く。

…と混ぜる⇒型に入れる⇒オーブンで焼くのシンプル構成なので

簡単に感じたのかもしれません。いや型とか持ってないけど。

どっしりした正統派ティーローフでレーズンがたっぷり入っており

「私、イギリスパンですが何か?」という気品を感じた一品

ちなみに、「なぜこれがウェールズ?」と講師の先生に聞いたら

ウェールズの人は甘い紅茶が好きだから」という回答だった。

アイルランドと比べて理由付けが適当すぎないか(^^;)?

いや、ほんわかしてていいんですけども…。

(ウェールズちゃんはよく不遇な扱いをされてる気がする。)

 

③アバディーン・バタリーズ(スコットランドのラード入りパン)

ネタ枠…クロワッサンみたいなパン

このパンのすごいところは…いや、まずはレシピを紹介します。

①小麦粉(250グラム)に塩を加えてねりねりする。

②真ん中にくぼみを作ってイースト菌とお水を入れ、ねりねりする。

③ちょっと時間を置く。

125グラムのバターと70グラムのラードをねりねりする。

(このときラードからソーセージみたいな香りがしますが気にしないこと)

⑤できたパン生地にバター+ラードを練りこみつつ何回も折っていく

(こちらの写真は折っている途中。巻物みたいになっています)

⑥しっかり折って巻物みたいになったら、水平にカットして並べる。

(カタツムリみたいになります)

⑦オーブンで焼く。

…おわかりいただけただろうか。

そう…尋常じゃない量のバター+ラードが入っているのだ。

講師の先生によると「スコットランド人は脂っこいものが好き。寒いから。

ピザも揚げて食べる。だからバターもラードもどすどす入れるんだ!!

うん、まあ、寒いからね…北海道ラーメンもバター浮いてるもんね…

まあクロワッサンもむちゃくちゃバターが使われたパンであるし

実際オーブンで焼いてみるとラードがむしろバターにない独特の

香ばしい香りを加えていてサクサクしていてすごく美味しかったのだが

カロリー的な意味ではギルティである。まあカロリーとかいいですね。

それにしてもピザを揚げるってどういうことなんだ…おそろしい

作ったパンは試食できる+持ち帰らせてもらえる

というわけでこんなかんじで素敵なパンが完成。

(カード(生地を切り分ける道具)は持ち帰らせてもらえる。)

講師の方が作ったパンを試食させてもらえるので、

自分が作ったものはきれいな形で持ち帰れる。

紙袋に入れて持ち帰らせてもらえる。

実際、ものすごい量持ち帰らせてもらえる

1人暮らしだと絶対食べきれない量だ。

正確に言うと4人の大人が3日ぐらいやっていける量だ。

〇ポテトファール4つ

〇大きな紅茶ローフ1つ

〇バターたっぷりクロワッサン8つ

ですからね。当方は友人7人ほどと分けていただきました。

お値段は高めだけど、満足感アリ!

後日「British Classics」というコースにも参加したのですが

やはり

どさっと

パンが作れて

試食もたくさんできて

幸せでございました。

90ポンドとかなり値段が高額なのはネックですが

〇全ての材料や道具を向こうで揃えてもらえる

〇説明がわかりやすい+詳細なレシピをメールで送ってくれる

〇実際に美味しいパンができる+沢山持ち帰らせてもらえる

のでお値段以上の体験ができるコースだと思います。

体験した後バラ・マーケットに寄って帰ってもいいですしね!

ちなみに、Utako Tannerさんという日本人の方が講師に加わったので

近々日本語コースも始まるそうです。ロンドンにお越しの際はぜひご検討を!

ABOUTこの記事をかいた人

たかうじ

ひょんなことからイギリスに2年滞在することとなった食欲優先主義の社会人。イギリスのおいしいものを食べまくるぞ!と期待に燃えていたところ周囲から「いやいやまずいものしかないだろ」「いぎりすw痩せられるねw」「ウナギのゼリー寄せが名物とか笑える」などの心ないコメントを寄せられ、このブログを立ち上げる(そしてイギリスにも美味しいものがあることを証明して周りをあっと言わせる)ことを決意するのであった…。いま、真実を見極める旅が始まる!!