英国のインド料理はおいしい
と(イギリス料理のブログとうたいつつ)何度も書いてきた。
シナモンクラブのタンドリーチキンは天にも昇るおいしさだったし
マサラゾーンのビリヤニはクラウン・ジュエルのごとき眩しさだった。
そんなインド料理であるが、ロンドンに「聖地」といわれる場所が存在する。
それがここ、イーストロンドンの、ブリック・レーンである!!
ご覧の通り、ブリック(れんが)でできた建物が多いので
ブリック・レーンという名前になったらしい。
横浜の赤レンガ倉庫みたいなものですかね(ちょっと違うか)
びっしりと書かれたストリートアートやたくさんのマーケットでも
有名な多彩極まる街なのであるが、ごはんも多種多様なのである!
フランス人、イタリア人、ユダヤ人、バングラデシュ人と、
様々な移民の方々がここブリックレーンに住んできたため、
壮大なごはん・フュージョン・ストリームが起こったのだ。
特に現在はバングラデシュの移民の方が多く住んでおり、
インド料理屋さんが非常に多い(なお、英国のインド料理屋さんの
ほぼ9割がバングラデシュから来た方のお店らしい!!すごい。)
インド料理ツアーに参加してみる
しかしながら、ブリックレーンのインド料理屋さんは多すぎて
初見だとどこに入ってよいか全然わからない。というわけで
前回同様Get your guideを利用して、「3時間秘密のインド料理ツアー」
なるものに参加してまいりました!!今回のガイドはRajさんという方。
オーストラリアやスイスなど、いろいろな国から来た観光客の人とともに、
ブリック・レーンの地に歩み入り、最初に突入させていただいたのは…
さっそくチャイがでてきた。あったかくてふわ~っとおいしい…。
なぜか自分でチャイを作るとこのなんともいえない穏やかさが出ない。
スパイスがきしきししてしまう。お店で飲むとふわふわなのに…うーむ。
ほんわりしていると、いきなり日本ではあまり見ない料理が運ばれてきた。
piazuという、ほうれん草+玉ねぎ+お芋?のフリッターらしい。
黒いおまめさんもついてくる。奥のお皿には唐辛子と玉ねぎが
どっさり盛られている。Rajさんに「勇気があれば唐辛子と一緒に」
と言われたので、ええいままよ!!と唐辛子を一本乗せてガブッ!
…そんなに辛くない!サクサクとしたPiazuは素朴な味で、
唐辛子のピリピリ感+お豆のジャリっとした感じと非常に合う。
ベジタリアン料理ということだが、食べ応えは十分だ。
最初のお店でこれなら、かなり期待できそうであるが、さて次は…
…とその前に、Rajさんにインド系スーパーに連れて行ってもらい、
香辛料をどかどか買う。さすがインド系スーパー、香辛料が安い!!
カルダモンひとふくろで2£(300円)とかなので、大変ありがたい。
Rajさんによると、結構インドの人でも「ガラムマサラ」(ミックススパイス)は
日常的に使うらしい。お店によってちょっとずつ配合が違うので自分好みの
ガラムマサラを探すのが楽しいそう(七味唐辛子が店で違うみたいな感じかな)。
購買意欲も満たされたところで、次なるお店に向かう。
はじめにネタバレしてしまうと、ここは屈指のおいしさだった。
しかしそのため、最大のミスを犯してしまうことになる…。
まず最初に出てきたのはchanna。Rajさんおすすめの一品だ。
豆の春巻のようなもので、辛いソース+レモンで食べる。
またもやベジタリアン料理だったので、(ええ…また野菜か…)と思いつつ
サクッとかみしめると…。…。…お、おいしい!!豆のホクホク感と
サックリした衣が合うし、ちょっと甘辛のソース+レモンの援護が完璧だ。
幸せな気分に浸っていると、Rajさんが銀のお盆をもって近づいてきた。
シナモンやカルダモン、クローブなどが入っている。
インド人の家庭には標準装備なのだそうだ。
日本でいう「さしすせそ」の調味料みたいなものですね。
ただ、これ持って転んだら大惨事だろうな…(やりかねない)
ひとつひとつ香りを嗅がせてもらい、幸せな気分に浸っていると
どどんどん!!と三種類のカレーが運ばれてきた。
ラムのカレー(茶色)、チキンのカレー(赤色)、豆のカレー(黄色)。
いずれもインド料理の定番中の定番のカレーとのこと!!
ナンとバスマティライスもしっかりついてくる。中でもチキンのカレーは
鉄のお鍋に入っており、「バルティ」という英国で発展したスタイルなのだが
いつまでもアツアツでおいしい!!実際、保温のためというところが大きいらしい。
お好み焼きが鉄板の上でいつまでもアツアツなのと同じですね(じゅるり)。
おいしいおいしいとバクバク食べていると、アイツがやってきてしまった…
満腹感との闘い
そう、満腹感である!!
いやでもカレーだし消化がいいはずだから大丈夫のはずだ…
そう言い聞かせつつ、重い腹を抱えてRajさんについていく。
しかし運命は無情!!Rajさんはすぐにお菓子屋さんに入っていった。
ご存知の方もいらっしゃるかもしれないが、インドのお菓子はとても甘い。
ちょっとこのおなかの状態では難しい…と焦っていると、お菓子をいくつか
買っただけで、そのままお店の外に出ることになった。お?のぞくだけなのかな?
よかったよかった(盛大にフラグを建築中)
さらにこの後、コンビニ的なところで各自清涼飲料水などを購入し、
今回のお店の中でおそらくもっとも著名なこちらのお店を訪れた。
イーストロンドンで1,2を争う名店と言われるこちらのお店、
なんといっても度肝を抜かれるのがそのすさまじい広さである。
すごい広いお店なのに、ぎっしり人が詰まっており、熱気むんむんだ。
クリスマスなど何か行事があるときは沢山の人が集まって夜通し踊りあかすそうだ。
しかも飲み物など持ち込み自由(そのため、清涼飲料水を購入したというわけ)。
席に着くやいなや、どんこどんこと料理が運ばれてくる!!
一品目は「パニール(チーズ)の厚揚げ+野菜炒め」。
いきなり重い球を投げてこられたが、美味しいので食べてしまう。
そりゃチーズ+油+野菜でおいしくないわけがないですぜ旦那!!
二品目はこのお店の代表料理、ケバブ!!ナンもついてくるよ!!
ほぼ満腹満漢全席状態でありながら、ケバブのジューシーさに
我を忘れてかぶりついてしまう自分がいる。やっぱりお肉いいですねお肉。
ナンもさっくさくのパリパリでむちゃくちゃおいしい!!さすが名店。
しかしもうさすがにこれ以上はとても入りきらんですばい…と
お腹をさすっていると、Rajさんがお皿に何かをのせてきた。
そう…最後の刺客、ジャムン(左)とラドゥ(右)である!!
さきほどのお菓子屋さんでRajさんが買っていたお菓子だ…。
むりでんねん、という思いを込めてRajさんを見上げるが、
満面の笑みで返されてしまった。いくしかない(絶望)
パクっと口に含むと、ジャリっという食感とともにお菓子が
口の中でほどけ…甘甘甘あばばばばばばばば(思考回路がショート)
これはこれで確かにおいしいのだが、お腹が「無理」と叫んでいる…!!
しかし!!私の席はRajさんの真ん前!!Rajさん嬉しそう!!食べる!!
進む!!食べ進む!!それが生きる道っ!!後退など私の辞書にはないっ!!
…必死で食べきりました(清涼飲料水で流し込んだ)。
そのあとRajさんに連れられて、特別に厨房をのぞかせてもらったところ、
ナンが石窯の中でこんがりパンパンに焼かれていました。幸せになれよ。
パンパンに膨らんだ旅であった
というわけで、大満足のイーストロンドンツアーは終わったのであった。
前回同様お腹も心もパンパンに膨らむツアーでした…Rajさんありがとう!!
わりと少人数(10名くらい)でほんわかおだやかな雰囲気だったのも◎。
参加して損は絶対にないと思いますが、しっかりお腹を空かせていきましょう。
(持ち帰りOKなので、タッパーをもっていってもいいかもしれないです)
ちなみにツアー開始時、Rajさんに日本出身だと伝えたところ
「前に大阪に行ったときカツカレーを食べたけどめっちゃ美味しかった。
カツカレーを考えた人は天才!!僕がほめていたと伝えておいてくれ」
と言われました。カツカレーを考えた人、本当にありがとうございます…!!
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